【遥アート】模写と贋作は違います

 よくオークションで見かける「・・・のため模写作品として出品します」と言う表現は間違いです。

 美術の世界では、学生であれプロの画家であれ名作を模写することはごく普通のことです。技術習得の1つの手段であるからです。渡欧した画家が、美術館で模写に没頭することはよくあることです。
 また、エスタンプ(複製版画)では写真製版でない場合は、原画をもとに他の画家が版のために模写をします。この模写で生活している画家もいるわけです。
 当然ながら、模写の場合はオリジナルのサインを入れてはいけません。複製画として販売するならサインがないのが普通であり、サインを入れる必要があれば複製画を作成した画家のサインが入ります。
 実際に複製画として、模写(肉筆)が数多く販売されています。オリジナルではとても購入できないような名作が、複製画なら安く購入できます。作家によっては非常にレベルの高い模写もあります。

 さて、この模写にオリジナル作品の作家を真似てサインを入れたら、その作品は贋作となります。
 前出の「・・・のため模写作品として出品します」として出品されている作品にはほとんどこのサインが入っています。
 つまり模写ではなく「・・・のため贋作として出品します」が正しい表現です。


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