児島虎次郎記念館から高梁市成羽美術館へ

 児島虎次郎の作品に出合うために、大原美術館児島虎次郎記念館と岡山県高梁市にある成羽美術館を訪れました。

児島虎次郎記念美術館
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児島虎次郎記念美術館

 児島虎次郎記念館は1972年(昭和47)、大原美術館の別館として、明治期の倉庫を改装してアイビースクエア内に開館されました。虎次郎の作品約200点を所蔵しており、代表作などを順次常設展示しています。
 また、虎次郎が収集した古代エジプト美術と中世イスラム美術などはオリエント室で鑑賞できます。

 なお、児島虎次郎記念館は今年いっぱいで閉館され、所蔵品は2020年までに開館予定の新児島館(旧中国銀行倉敷本町出張所)へ移される予定ですので、今後訪れる予定の方はWebサイト等でご確認ください。

 大原美術館(児島虎次郎記念館) → 公式Webサイト

高梁市成羽美術館
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高梁市成羽美術館

 高梁市成羽美術館は、児島虎次郎の遺徳の顕彰を目的として1953年(昭和28)に開館しました。現在の美術館は3代目に当たり、建築家安藤忠雄氏の設計により1994年(平成6)11月に新築開館したものです。

 この美術館には児島虎次郎展示室(成羽美術館所蔵絵画の展示)とオリエント展示室(児島虎次郎が収集した古代エジプト遺物などを展示)が設けられています。
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リーフレットと入館券

 
 高梁市成羽美術館 → 公式Webサイト




 児島虎次郎は1881年(明治14)岡山県下原村(現 成羽町)に生まれました。1902年(明治35)に東京美術学校西洋画科専科に入学し、飛び級で1904年(明治37)に研究科に進みます。1907年(明治40)、東京府勧業博覧会美術展に「里の水車」と岡山の孤児院を主題とした「なさけの庭」の2点を出品し、「なさけの庭」が一等賞に選ばれ、しかも皇后陛下の眼にとまり宮内省買い上げとなる栄誉を得ます。

 当時、大原家から奨学金を得ていた虎次郎は、この栄誉を喜んだ大原孫三郎の援助により1908年(明治41)渡欧し、ベルギーのゲント美術アカデミーでベルギー印象派の画風を学び、1912年(大正1)11月帰国します。1918年、中国や朝鮮半島各地を巡り、製作や収集を行います。1919年(大正8)5月ヨーロッパへ再留学し、1921年(大正10)2月帰国する間に、20数点の作品を収集しています。さらに、1922年(大正11)5月に神戸港を出帆し、ヨーロッパへ美術品収集の旅に出て1923年(大正12)5月に帰国しています。

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自画像1922(大正11) 大原美術館蔵

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大原孫三郎像1915(大正4)大原美術館蔵


 2つの美術館の所蔵作品を図録から一部紹介します。

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井上こう肖像1897(明治30) 成羽美術館蔵
井上啓次が帰省時に描いた祖母の肖像画をペンキを使って模写したもの。

 
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果物1904(明治37) 成羽美術館蔵

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登校1906(明治39) 成羽美術館蔵
研究科卒業制作作品


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里の水車1906(明治39) 大原美術館蔵

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なさけの庭1907(明治40) 宮内庁三の丸尚蔵館
東京勧業博覧会西洋画部門で1等賞となり、宮内省買上。


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川辺の風景1909(明治42) 成羽美術館蔵

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ベゴニアの畠1910年(明治43) 大原美術館蔵

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睡れる幼きモデル1912年(明治45) 大原美術館蔵

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ピアノ1912年(明治45) 大原美術館蔵

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読書1913(大正2) 成羽美術館蔵

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芝の上1914年(大正3) 大原美術館蔵

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酒津の農夫1914(大正3)成羽美術館蔵

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酒津風景1915年(大正4)大原美術館蔵

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雁来紅と子供1917(大正6)成羽美術館蔵

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手鏡を持つ婦人1920(大正9)成羽美術館蔵

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朝顔3部作1916/1920年(大正9) 大原美術館蔵

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アルハンブラ宮殿1920(大正9) 大原美術館蔵

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鸚鵡と少女1924(大正13)成羽美術館蔵

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奏楽1927(昭和2) 大原美術館蔵



 児島虎次郎は大原美術館の創設に大きな役割を果たし、美術史上に残る偉業を成し遂げましたが、同時に、画家としてもすばらしい多くの作品を残しています。

 虎次郎が収集した作品や虎次郎の作品を鑑賞しながら、当時の虎次郎の溢れる情熱に思いをはせました。47歳という若さで亡くなったのが信じられないです・・・


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